THD HOTPLATE 16Ω アッテネーター

2009年09月09日 21:10

・アッテネーターはやっぱりアッテエ~ナ~

2ヶ月ほど前にオークションでアメリカ製のアッテネータを買いました。箱付、新同品で3万円弱と格安でした。
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到着してすぐに音出ししてみましたがクーリングファンのコイルがレアショートで故障していました。
内部を見てみると台湾製のベアリングの入っていない安物ファンが装備されていたので
この際、高級品を取り寄せて付け替えることにしました。
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世界一のベアリングメーカー、ミネベア製(NMB)のベアリング付ファンです。最初、定格が12Vでもいけるのか?測ってみましたがピークで20Vちょっとあるのでやはり24Vタイプが必要です。アンプからの出力をシリコンダイオードで整流後、ケミコンで平滑してDCパワーを得ています。
ファンへの配線が熱くなるヒートシンクにもろに当っていたのでこれも影響のない表側の配線に変えました。
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故障がこれ幸いに高性能クーリングファンに生まれ変わりました。
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オーストラリア製Koch等は普通のセメント抵抗をヒートシンクに密着させるオーソドックスな方法をとっていますがTHDでは少し凝った装着方法です。-16dBレンジにすると左右両側の抵抗が稼動するようになっています。
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先ず最初に複数の”巻線抵抗器”をヒートシンクに密着させた後、セメント樹脂で抵抗器全体を覆うように固められています。耐熱樹脂とヒートシンクの接地表面積が大きくて熱の伝わりも高効率です。
そして最後にリード線を基板にハンダされています。基板を外すにはこの抵抗からのリードを全てハンダ解除しないといけませんが熱的には合理的な方法です。それから基板自体も両面パターンになっていて意外と複雑。
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ノイズリダクション装備ということで正面のランプスイッチをONにするとランプが光ってノイズが軽減されます。見た目にも赤いランプが強烈に光ったり消えたり出力に同期するのでいかにも「アッテネートしてマッセ」的でよろしいですね。
仕組みの方は24Vの車用ルームランプを2個直列に繫ぎ、このランプ自体を一つの抵抗(レジスター)とみなしてコンデンサと組み合わせてノイズフィルターの働きをさせています。見た目の効果もあり発想も柔軟です。ハムノイズも含めて確かに効果がありました。
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アッテネート量は0dB/-4dB/-8-/-12/-16dBとなっていて-16dB時にはさらに無段階の音量調整ボリュームが生きるようになっています。この機種に限らずですがたとえセレクターが0dBでも繫いでいるだけで音質変化があります。抵抗式の宿命である音質変化を補正する機能としてブライトスイッチとDEEPスイッチが装備されていますが音量にもよるのですがこの補正機能は効果覿面です。

無段階調整用Voとブライトスイッチ用のコンデンサ。
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DEEPスイッチ(ローパスあるいはバンドパスフィルター)用のローディングコイルです。効きが最高!
オーディオ用スピーカーの帯域振り分けに使うネットワークと同じ原理です。これがアクティブ素子との組み合わせならワウみたいなバンドパスの帯域フィルターなんでしょうね。
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こちらはノイズフィルターのコンデンサ。
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サウンドレビューを簡単に、、、
・減衰量が大きいレンジほど高域と低域がそれぞれ削られてしまう。
・若干のコンプレッション感が付加されるが嫌な圧縮感ではなく快感。
・自宅レベルでの使用ではMarshall100Wでは-16dB+無段階ヴォリュームは必須。
・deep、ブライトスイッチは減衰量によって効き方も変化する為、臨機応変の使い分けがベスト。
・ライブハウスなどで他の楽器とのバランスをとるために-4/-8dBレンジでの使用が本来の姿。
・自宅では本来不可能なパワー管のスイートな歪を簡単に引き出せる。

Marshall100W本来のサウンドとは、、、ギターからのサウンド+プリアンプ部の歪+位相反転段の歪+パワーアンプの歪+スピーカー自体の歪+スピーカーキャビネットの歪=イコールで初めてあの魂が震えるサウンドとなるのですが、アッテネーターやマスターボリューム使用ではこの条件のいくつかはスポイルされるのは仕方がありません。

特に、良いキャビネットをギシギシ言わせたときのサウンドは筆舌に尽くしがたい快感サウンドです。

Marshall等の100Wアンプを自宅でアッテネーターを使いフルアップさせる時の注意点を、、、
・AB1級プッシュプル動作ですので入力信号が大きいと比例して大きなプレート電流が流れる。
・アイドリング時のプレート電流調整(バイアス調整)をきちんと行う。運転中の電流観測もしたほうが良い。パワー管の最大プレート損失の60%から70%までにアイドリング電流を調整。
・マスターを上げきると連続して大きなプレート電流が流れ続けてプレート損失の何倍もの負荷が掛かるためパワー管の消耗が激しい。
・自宅での使用なので万が一に備えてヒューズはスローブローではなく普通のファーストブローヒューズ(電流値は定格どおりに)に換えておく。
・パワー管を長持ちさせるコツは、マスターを最大でも70%から80%くらいまでに抑えておくと連続信号時にもパワー管には定格以内の電流しか流れない→しかもサウンドはそんなに変わらないのでお勧め。
・マスターフルで使用するときはヒートシンクの上でたこ焼きが暖められる。70~80%では殆ど熱くならない。(ノイズリダクションランプはどちらもフル点灯)
・マーシャルなどの大型アンプではトランスがデカイので心配ないが(但し適正バイアス、適正ヒューズ) 小型のオール真空管アンプでは出力トランスの定格不足でフル時に焼損の危険あり。(マーシャルなどのようなメインヒューズとpower部ヒューズ分担タイプだと少し安心)
・セッティングの繫ぎ変え時等、フル出力状態でスピーカーが繋がっていない状態では出力トランスが焼け切れますのでセッティング変更時はスタンバイオフの習慣を。

どうですか、少しお値段は張りますが、アンプをもう一台買ったのと同じくらいのキャラクター変化を楽しめます。私のアンプはフェイズインバーターの後ろに自分でマスターを増設してありますので、ノーマルサウンド、マスターサウンド、そしてこのアッテネーターと3種類の変化です。最大のコツはマスターを上げきらず使うことです。ここ数ヶ月心地良いコンプレッション感にどっぷり浸って楽しんでいます。

赤ノブTHE TWINでも試してみました。本来、マスター付のアンプですが爆音のため自宅での音量調整が難しいのですがこのアッテネーターを繫ぐと、今まで経験したことのないパワー管の歪を味わえて、尚且つ難しかった音量調整が凄く幅広く行えるようになります。ドライブチャンネルでゲインを6、マスターも6くらいまで上げて、-16dBレンジで無断調整すると物凄くスィートな歪です。THE TWINにも良く合いますよ
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コメント

  1. ニャロメ | URL | 1.b4PuJs

    Re: THD HOTPLATE 16Ω アッテネーター

    v-283 オコンニチワ !! 、Castmanさん。

    オォ~ッ !! 、遂にアッテネーターを手に入れられたんですね~。v-410

    ワット数が高いアンプを自宅で使用するには、
    やはりこれを持っていると便利ですしね。

    特にフェンダー系のアンプには相性が良さそうな気がします。
    多分音色の方も、ニャロメが想像している音に近いものと思われます。
    シカゴ・ブルーズ&テキサス・ブルーズ辺りの音でしょうか??。

    ニャロメが愛用しているマルチ・エフェクターのZOOM G9 2ttにも、
    これと似た様な機能がありますので、
    何となくではありますが、想像出来ます。v-410

  2. Castman Hendrix | URL | 4A9T8td.

    Re: THD HOTPLATE 16Ω アッテネーター

    ニャロメさん、仰るとおりですね、たぶんblack faceのバイブロバーヴやデラックスリバーブだとパワー管がギシギシ軋むようなサウンドが出そうです。赤ノブのパワー管のサチュレーションがこれほど気持ちの良い物とは思いませんでした。

    最近のマルチエフェクターのモデリングは凄い物がありますね!

    実は私も昨今の親父バンドの方々同様に数年前に復活したのですがその時心奪われましたのがVOXのペダルが2つもついたマルチボードでした。結局、赤ノブを買ってしまいこのボードは買えませんでしたが今でも欲しいのです。
    ニャロメさんはモデリングだけでなくデカイビッグアンプもお持ちなのでそれぞれの良さがよくお解かりですので色々と参考にさせて頂いております。

  3. ニャロメ | URL | 1.b4PuJs

    VOX社のマルチはお薦めです !!

    v-283 オコンニチワ !! 、Castmanさん。

    VOXの2ペダルのマルチエフェクターは、
    TONE・LAB-SEと言う物ですね~。
    今は生産終了になってしまいましたが、
    現在は1ペダルになって、TONE・LAB-LEと言う、
    後継者のモデルが発売されています。
    こちらも音が素晴らしいですよ~。
    歪み系とワウが一緒の場所に入っているので、
    同時に使う事が出来ないのが唯一の弱点なのですが、
    音はお世辞抜きで素晴らしいです。
    ただ音を似せるだけではなくて、
    本物に使用されています各電気部品の特性ですとか、
    スピーカーを鳴らしている時の電気的な動きまで、
    確りとシュミレーションされています。
    お値段もマルチとしてはお安いですし、
    自信をもってお薦め出来る製品です。v-410

  4. Castman Hendrix | URL | 4A9T8td.

    Re: THD HOTPLATE 16Ω アッテネーター

    ニャロメさん詳しい解説ありがとうございました、なんと歪系とワウは同時に駄目なんですね。前にこの機種の波形を写真でみたことがあるのですがノッチングの歪まで再現していて驚きました。
    それはそうとビンテージアンプ病という病にかかってしまって今、アメリカのebayに1973年のmarshall 100wヘッドと1960bのオールドキャビネットが別々に出品されています。アンプの方は無改造、新品同様のイギリス本国仕様でかなりお安いので心が揺れ動いております!e-90

  5. JAKE(じゃけ) | URL | z8Ev11P6

    Re: THD HOTPLATE 16Ω アッテネーター

    素晴らしいアッテネーターですね!

    アッテネータの仕組み、Castmanさんの詳しい解説でなんとなく理解できました!

    熱の放出だとか、ベタア-スの取り方だとか、部品の配列だとか、、設計もいいですね。

    何より、音がよさそうですね!v-10

  6. Castman Hendrix | URL | 4A9T8td.

    Re: THD HOTPLATE 16Ω アッテネーター

    JAKEさんコンバンハ。

    自宅で100Wのアンプを鳴らすにはポストフェイズインバータへのマスター挿入かこのアッテネーターのどちらかが必要なのですが、市販アッテネーターで自宅での音量に対応している機種はこれとクルーズの無段変速のみだと思います。

    キャビネットを含めたスピーカーディストーションが出せないので本当のサウンドではないのですが出てくるサウンドや機能を見るとやはり最初から4インプットのマーシャルでの使用に的を絞って設計されたことが良く分かります。

    マスターフルで小さな音量でフルアッテネートさせるとプレート損失の3倍近いipが流れますのでアッテネータでヴィンテージアンプを使う際は、オールドNOSの真空管よりも後年、ギターアンプ需要で新たに設計された最近のパワー管の使用がタフでお勧めです。(JJ/エレハモ)私の場合はJJのE34Lの新品を使っていますが、新品時の少しピーキーなのが使っているうちに治まってきて今はとても枯れているのに倍音豊で良くなってきました。アッテネータ使用で各ブランドの真空管の特性の違いなども楽しめています。

    電源を入れて30分位たったアンプにギターをベルデン8412で直にインプットした時のサウンドは脳天が痺れていつまでも弾いてしまいます。

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