Fender Blues Deville 410

2009年10月08日 23:25

今日、お得意先様所有で新品同様のFender Blues Devilleをお借りしてきました。
このシリーズではBlues DeluxeとBlues Jrに続く3台目の中味拝見となりました。
楽器屋さんでの試奏では中々つかみきれない箇所もお借りすればジックリと回路図とにらめっこで
サウンドの傾向もつかめてきますので有難いですね。
bv1.jpg

・回路的特長
Blues Deluxeの回路、Blues Jr.の回路、そしてBlues Devilleの回路。
今まで3台の機種のシャーシ内部を拝見する機会がありました。同時期の製品だけあって
殆ど同じ回路構成で、プリ部3段増幅に位相反転段、そして固定バイアスAB1級動作によるパワーチューブ回路です。定数その他はほぼ同じです。上記3機種とも、固定バイアスですがバイアス調整機構(調整ボリュームと電流検出抵抗)が省略されていますので、パワー管の交換時やアッテネーター使用時の赤熱には注意が必要です。

・プリ部の定数はFENDERスタンダードの極普通の値で、低域までしっかり通す設計となっていて
深く歪ませるドライブサウンドに主眼を置いた定数は採用されていません。
・残念なことに2本目の12AX7Aの片チャンネルが使用されておらずミュートされています。
・2チャンネル構成の仕組みは、3つのリレーをオペアンプのコントロール電圧で切り替えて、
ノーマルボリュームの有効無効、ドライブボリュームの有効無効、マスターボリュームの有効無効を
巧みに切り替えています。普通の2チャンネル構成では(プリアンプ部2段構成)、12AX7が4本必要なところをリレースイッチングで2本で実現しています。
・プリアンプのセンドリターン回路の入出力とリバーブPANの入出力にテキサスTL072オペアンプが使われていてここでも2本の真空管が節約されていました。
・トーンコントロールはオーソドックスなFENDERタイプ、良い意味でノンクリティカルな特性でサウンド作りは直感的に凄くやり易くなっています。プレゼンスはmarshallタイプの負帰還ループ内に0.1μと250kで構成するフィルター回路が入れられていて効きが凄くスムースで良い味付けができてgood。
・スピーカーはエミネンスの10インチを4発でトータル8オーム負荷となっています。個人的にはマルチスピーカーが大好きです。
bd2.jpg

・サウンドインプレッション
ドライブチャンネルとノーマルチャンネルの2ch構成ですがドライブチャンネルでよく採用されるような12AX7を1本追加して2ステージ分のゲイン増幅を行うといったことは行われておらず、単に、ドライブチャンネルでは2段目と3段目の間にDRIVEコントロール、3段目のあとにマスターコントロールが生きるようにスイッチングするという簡易タイプが採用されています。

・ドライブチャンネルのサウンドはパサパサした帯域が強調されて少し使いづらいと感じました。
・ノーマルチャンネルでヴォリュームを3.5以上に上げてみると,,,!!!スピーカーディストーションとキャビネットの箱鳴り!ミッドの艶とローの押し出しが素晴らしくこれぞFENDERのドライブサウンドの見本のような素晴らしいサウンドです。ボリュームは3.5を境に別物のアンプに豹変しました。
6L6GC独特のミッドローがジューシーで粒立ちの細かい素晴らしいドライブサウンドです。ドライブチャンネルでは目だった耳に痛い嫌な高域成分は全く出なくなります。マルチスピーカーの表面積が生み出す独特の非常に引き締まっていながら前に出てくる凄みのあるローエンドはシングルスピーカーでは出せない特有のものです。

bd3.jpg

・HotplateとFuzzを使用してみる
このノーマルチャンネルを3.5以上(爆音)上げた時に出るドライブサウンドを何とか自宅レベルの音量で再現してみたいと思いアッテネータや自作fuzzを繫いでみました。

・先ずfuzzですが以前の機種でも感じたのと同様に両チャンネルとも音量ばかりがガッと上がってしまい音質もパサパサしています。これは位相反転段までのトータルのゲイン不足が原因しています。ノーマルボリュームを4以上上げられる環境ではこれも解消できます。 jimiの音源を注意深く聞くとわかるように音量変化についてはいつ踏んだのか分からないスムーズな切替が正解です。

・アッテネーターの使用ですがノーマルチャンネルでボリュームをフルアップにしてみましたがノイズが酷いのと先程出ていたような朗々としたサウンドとは程遠い平面的なサウンドです。サスティーンも伸びません。これはスピーカーとキャビネットディストーションが出ていないのが原因です。ドライブチャンネルではノイズがひどくてボリュームを6以上だと発振してしまいます。

bd5.jpg
アッテネーターでフルアップさせた時に僅かですが6L6GCのプレートが赤熱しましたので各電極の電圧を測ってみました。プレート電流はB+の供給コネクターを外して電流計を挿入測定しました。
・プレート電圧492V
・コントロールグリッド電圧-42.5V
・プレート電流46.8mA(アイドリング)

492V×0.047A÷30W(6L6の最大プレート損失)=77%

77%ですので若干バイアスが浅めですが許容値です。バイアスは浅すぎると耳に痛くパサパサしたサウンドに、深すぎると悪い意味での歪が増えペタッとした立体感の無いサウンドになります。この個体の場合サウンド的には40mA内外だとドライブチャンネルでマスターを絞った時のサウンドが使いやすくなると思います。しかし、バイアスの調整機構を持たない為、交換時にip測定値の高中低の選別品をチョイスすることで対応すればokです。

・ベストサウンドは!
このアンプで最高のサウンドを出す方法とは、センドリターンもリバーブも使わず(オペアンプ回路の回避)、ノーマルチャンネルのボリュームをできれば4以上に上げて、ダイレクトにプラグインして使う!クラブサーキットや小ホールでのギグではそれはそれは素晴らしいこれぞfenderというナチュラルディストーションが堪能できるでしょう。1にも2にもスピーカーディストーションとキャビネットの鳴りが全ての男のアンプであると言えます!一方、自宅で気持の良いサウンドメイキングは無理です、しかし1本のシールドとこのアンプがあれば最強のブルーノートが奏でられることでしょう。





コメント

  1. JAKE(じゃけ) | URL | z8Ev11P6

    Re: Fender Blues Deville 410

    台風の影響はなかったですか?
    コースが近くだったので心配していました。

    Blues Devilleは1回弾いたことがあります。Blues Deluxeと兄弟機だったですかね?ツイードがかっこいいですね!

    レポ楽しみにしております。

  2. Castman Hendrix | URL | 4A9T8td.

    Re: Fender Blues Deville 410

    JAKEさん、どうもありがとうございます。台風の影響は有難いことに拍子抜けするくらいなんともありませんでした。外の風の音が凄かったので普段は出せない音量でmarshallのキャビネットを震わせることができました。

    Blues Devilleをお借りできて色々と試しています、ノーマルチャンネルのサウンドが最高ですね!

  3. JAKE(じゃけ) | URL | z8Ev11P6

    Re: Fender Blues Deville 410

    回路図を印刷して、解説を読ませていただきました。

    なかなかここまで、詳しくアンプの回路について説明して下さるサイトはないので、参考になります。

    アンプの回路の勉強を始めましたv-10

  4. Castman Hendrix | URL | 4A9T8td.

    Re: Fender Blues Deville 410

    JAKEさん、どうもこんばんわです。やっと左足も治りましたので、水曜日にユニバイブの残りの部品を日本橋に買いに行けそうです。丁度、心斎橋で会議がありますもので。

    このアンプの初段と2段目のプリ部自己バイアスのカソードパスコンの値を1μ位に、抵抗も4.7キロ前後にして、さらに遊んでいます12AX7のユニットをオンオフすればドライブチャンネルの時のブーミーが解消できて先のサンライオンのブースター部のようなカリンとしていて歪んでいるようで歪んでいない、歪んでいないようで実は伸びるような感じになると思います。フェンダーやマーシャルチューナーの常套手段のようです。

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