THE TWIN 赤ノブのバイアス

2009年03月28日 22:24

きょう久々に赤ノブのバイアスを確認して調整しました。先ず最初に、4本あるパワー管のうちの1本の2番ピンと7番ピンの電圧(ヒーター電圧)を測って6.3Vピッタシになるようにスライダックで電源電圧の方を調整します。やっぱり、回路図指定のB電圧等などを確保するにはうちのコンセント102Vでは少々6%ほど不足です。

120Vや117V仕様のは100Vでも使えますなんてよく聞きますが、実際にはヒータ電圧が大きく不足してカソードからの電子の放出量も減って(エミッション低下)真空管の寿命もはやく来ますしサウンドもべたっとして良くありません。
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赤ノブツインには裏パネルにパワー管のバイアス調整機構が装備されています。プッシュプルが2組あるパラレルプッシュプルで各組へのバイアス電圧調整用トリマーが2つ用意されていますので各組のDCバランスも完璧に調整できます。FENDERの指定ではノーシグナルでプレート電流を40mA(2管の合計値)にセットして下さいとありますが6L6GCで1本あたりに20mAとは少々バイアスが深すぎる(グリッドの電位がマイナスの深い方に寄る)のでないかと思います。そして規定どおりだと出音にも少しパンチが欠ける気がします。
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ピュアオーディオの真空管アンプのバイアス調整ではNFBを外してダミロードにオシロスコープをつなぎ、サイン波を入れていって波形を観測、ノッチングやクリップのない領域でプレート電流を決めていきます。でも、ギターアンプの場合は元々歪音前提ですのでそんなことをせずともプレート損失の70%以内で実際のサウンドを聞きながらバイアスの調整をすることができます。このアンプの場合はプレート電圧が470V、6L6GCのプレート損失30Wということは44mAくらいまでは流せる計算です。実際の6L6GC仕様のアンプでは1管あたり40mA内外という値が多いようです。

使用する真空管のメーカーやペア計測地データでipが流れやすいかそうでないかなどでもセッティングが変わります。私の場合は自分の好きなサウンドというがハッキリしていますのでどんなメーカーのどんな値のパワー管であっても30分いじくれば完璧に自分好みのサウンドに調整できます。

プレート電流の値をモニターしながらストラトのフロントピックアップで、サウンドはクランチセッティングにし、3弦、4弦、5弦だけを使ってセブンスコードのフレーズなんかを弾いていき音と音がぶつかり合って出るハーモニクスの量と質やアンビエンス、艶といった性質で聞き分けます。具体的にはプレート電流が低すぎると(バイアスが深い)ベターッとした力のない歪感が伴う音。(ここで云う歪とは本来歪んでいてはいけない成分のこと)一方プレート電流多すぎ(バイアスが浅い)ると今度は耳に痛いギーンとしたパサパサした感じの音。プレート電流を段々とあげていって丁度良いポイントに来るとコードがぶつかり合った時のサウンドが急に立体感を持って綺麗な倍音を伴って広がります。このスゥイートなポイントはフェンダーでもマーシャルでも大体どのメーカーの真空管を使った場合でもプレート電流値の中心値からプラスマイナス2mA以内に収まってきます。

こういうことを書きますと必ず各銘柄の絶対値は?なんて思われるでしょうが、たとえばマーシャルでチャイナ管のEL34STB(TAD選別)とスロバキア製のE34Lではサウンドのキャラも真空管の電気的キャラもかなり違います、でも自分の求めるサウンドはハッキリしているため中心点を求めたところかなり数値に違いがあります。このあたりは次回、マーシャルのバイアスの巻きで詳しく。

ほんで結局どないやねん!ということで、赤ノブはFENDERの規定値より少し多めに流してやるとメチャメチャ鳴ります、元々鳴るアンプがどえらいことに鳴ります、大体スベトラーナのロシア製6L6GCの場合で2管合計で54~58mA位でそれはそれは眩暈のしそうな良いサウンドが出ます。どんなのかといいますと、ゲインチャンネルのゲイン5から6で弦と弦がぶつかり合ってびひゃぁぁ~んんっというブリブリした倍音の余韻がでるのです。今日のサンプルはZZ TOPの最高傑作サードアルバムの2曲目Jesus Just Left ChicagoやJimi HendrixのBlues収録のCatfish Blues!この2曲そっくりのアンビエンスに富んでジューシーな倍音です!

わたしは赤ノブ以外にはリベラ作のデラックスリバーブⅡというのをいつか手に入れようと思っておりましてこの赤ノブとデラリバⅡをもってしてフェンダーコンボの最高傑作ではないかなと感じており6V6GT管のコンプレッションの効いたサウンドも中々おつなものだと、、、一杯やりながらやるブルーズにはうってつけのアンプではないかなと思います。

注:あまりに電流値を上げすぎますとスクリーングリッドの損失がオーバーして抵抗が焼けますので程々に。
注2:多めに流すとノーマルチャンネルでの歪み始めるポイントが早くなります。コレが又太い音です。チャンネルスイッチングのアンプではバランスも考えてポイントを出すようにすればokです。

bias12.jpg


コメント

  1. さとぅ | URL | zqPWYEbY

    RIVERAのIIシリーズ

    毎度濃厚な記事をありがとうございます。
    リベラの手がけたIIシリーズは、その短期間っぷりから
    しても興味をそそる、謎のラインナップというイメージがあります。
    市場ではChampIIやプリンストンリヴァーブIIを見た事がありますが、
    デラリバIIはまだお目にかかった事がありません。

    後で『Blues』を聴き直してみます♪

  2. ニャロメ | URL | 1.b4PuJs

    Re: THE TWIN 赤ノブのバイアス

    v-283 オコンニチワ !! 、Castmanさん。

    ウワァ~ !! 、今回はアンプのカスタマイズですか !! v-437 v-410

    電気的な事は判りませんが(大汗)、
    初期のZZ TOPのビリー・ギボンズ大将の音という事で、
    こんな電気音痴のニャロメでも良く理解出来ました。 (笑)
    ビリー・ギボンズ大将のディストーション・サウンドは、
    今では立派なブランドになっていますものね~。 v-426 v-410

    ニャロメもノーマルチャンネルで作る、
    太いクランチサウンドが大好きですよ。 v-410

    余談では御座いますが、
    ストラト+ダンブルのノーマルチャンネルのクランチトーンって最高ですニャン !!
    あのSRVも隠し味的にメインの愛器達にプラスして、
    この方法を使用していたらしいですよ。
    ニャロメも良くこの方法を用いてプレイしますよ。
    勿論、ダンブルのアンプはマルチエフェクターのモデリングですが。(爆笑)
    この方法は、ストラトプレイヤーの方には是非お薦め致しますニャン !!

  3. Castman Hendrix | URL | 4A9T8td.

    Re: THE TWIN 赤ノブのバイアス

    さとぅさん、デラリバⅡですがあっても高いので現実味は薄いのですが6V6管の最終進化系なのではないかと回路図を見てそう思います。思えば昔、新品で楽器屋においていたのを無理してでも買っておけば良かったです。サウンド的には全真空管中一番好きなのはEL34なので今色々とパワー管を集めては差し替えているんですがこれも楽しい作業ですね。

  4. Castman Hendrix | URL | 4A9T8td.

    Re: THE TWIN 赤ノブのバイアス

    ニャロメさん、ギボンズ先生はジミヘンドリックスご本人からペインティングストラトキャスターをプレゼントされて持っているそうですね、80年代の大ヒット時はピンと来ないのですが初期の3枚は本当に最近よく聞きます。

    <<ダンブルのノーマルチャンネルのクランチトーン!
    またまた、良いことを教えてもらいました!多分凄いレイドバックした良い音なんでしょうね、でもそのアンプって一般には手に入らないオーダーメイドなんじゃないですか?
    なんだか私の知識は80年代の中ごろで途切れているようなんです!v-284あっそれはモデリングマルチで出せるということだったんですね、又マルチエフェクトの銘柄なんかもお教えくださいね!

  5. JAKE(白帯) | URL | z8Ev11P6

    リベラさんのFender Amp

    いや~今回もすばらしい記事です!

    アンプの音決めの肝的なことを、分かり易くご説明いただきありがとうございます。

    リベラさんがフェンダーに在籍していた時期の、Supper Champ、CHAMPⅡやPrincetoneⅡ等小さめのアンプにあこがれますが、なかなか買えません、、アンプ貯金はじめましょうかね~(笑

  6. Castman Hendrix | URL | 4A9T8td.

    Re: THE TWIN 赤ノブのバイアス

    JAKEさん、あの時期の80年代半ばから90年代頭くらいまでのフェンダーアンプは起死回生を狙っていた時期なのでコスト度外視の凄い時代ですよね~私も子育て真っ最中でヒジョーにキビシー締め付けがあるのですが頑張って資金を貯めております、で、実は先ほど、つい今しがた1971年製のマーシャル1959の100Wヘッドを衝動落札してしまいました、宣伝文句にコロッとやられてしまいました。

  7. つがわ | URL | eDwyEylU

    Re:THE TWIN 赤ノブのバイアス

    はじめまして。

    バイアス調整でこちらを知ったんですが、あまりの情報の多さに目移りしてしまって数時間も読んでしまいました(笑)。
    楽しい時間をありがとうございます。

    バイアスに関して、この投稿の中のことで少しお聞きしたいことがあります。

    「大体スベトラーナのロシア製6L6GCの場合で2管合計で54~58mA位でそれはそれは眩暈のしそうな良いサウンドが出ます。」

    ということは、1本あたり27~29mAということになると思いますが、

    「このアンプの場合はプレート電圧が470V、6L6GCのプレート損失30Wということは44mAくらいまでは流せる計算です。実際の6L6GC仕様のアンプでは1管あたり40mA内外という値が多いようです。」

    という内容と比較すると、最大で44mA流せるところに29mAしか流していないということでしょうか?

    イメージ的には6V6のそれと大差ない感じで少ないように思いますが、実際はそれくらいがギターアンプとしてはいい感じになる値なのでしょうか?

    この数字は初めてだったので、お話を聞かせてもらえればなと思います。

    よろしくお願いいたします。

  8. Castman | URL | 4A9T8td.

    Re:THE TWIN 赤ノブのバイアス

    つがわさん、初めまして。コメントありがとうございます(^<^)。内容もよくご覧いただけてうれしいです。さて、ご質問の件ですがまさにその通りでございます。本来、6L6GCというのは改良が加えられた6L6族の中でも最終進化系のスペックを誇り、そん所そこらのパワー管の中でも最もタフで寿命も永い球です。

    一方、このアンプ、FENDER RED KNOB赤ノブツインですが、多段プリアンプで音を作っていくモダン方式の先駆けになったアンプです。このアンプのバックパネルには純正で最初から2組のバイアス調整機構が付き、そこに2管合計で40mvつまり1菅当たり20mAに調整せよとの印字があります。

    確かにAB1級の動作領域アンプにしては異常に低い値です。6L6GCはビーム4極管ですので5極管よりもプレートに電流が流れやすい構造でもあり、同じバイアスのEL34を6L6GCに差し替えても、EL34<6CA7<6L6GCの順でプレート電流が増します。

    実際にメーカー推奨の値にして音を出しても良い音が出ますし、バイアスが深すぎた場合の弊害(クロスオーバー歪)も感じませんが、やはり、もうちょっとバイアスを浅めにした方が音が俄然立つ!ようになります。しかし、この赤ノブアンプ、バイアスを浅くし過ぎると音が毛羽立って耳に痛い尖った感じになり良い音になりません。

    おそらく推察いたしますに、マーシャルなんかも現行モデルはバイアスの推奨値はグリッドの電位(マイナス〇〇ボルト)でしてしていますが、計算してみるとかなり安全マージンを取った値になっています。ギターアンプの使い方にもよりますが、AB1級ですので29mAにしてアッテネータをかませてマスター上げ気味ですと、瞬間的には軽く100mAまで振り切ります。僕の場合ですが、マーシャルも大体聴感で会わせることが殆どでして数値は最後に安全マージンを確認するというような感じで見ております。

    赤ノブの故障で一番多いのはバイアスを浅過ぎて内部の基盤内の抵抗が焼損というのが多いようです。ライブハウスや練習スタジオの常設アンプという役柄が多く普段のメンテ不足が招くトラブルだと思います。この赤ノブでもバイアスが浅すぎますとギジギシ、ギチギチした嫌なクリッピング独特の音がして、パワーコード一発弾きますとフォ~ンとパワー管のプレートが赤熱します。大体30mA以内ですと、パワー管の寿命がこれでもかというくらい長持ちしますのでメーカー推奨値はさらに安全マージンを見越している感じです。赤ノブはマスターボリュームが自宅で使うには全く役に立たなくて、ヴォリューム1.5で爆音です。アッテネータは必需なんです(^<^)

  9. つがわ | URL | eDwyEylU

    Re:THE TWIN 赤ノブのバイアス

    レスありがとうございます。

    なるほど良く分かりました。
    思い起こすと、過去に音だけで調整しようと思ってやってみたところ、思いのほか低い値になり、基準値を下回りすぎと判断して範囲内に上げた記憶があります。
    実はあれでよかったのかも・・・( ̄□ ̄;)
    こちらの赤ノブの場合は一番いい音の値で、基準値の下限かそれより下なんですよね。

    この考え方は他のパワー管も(6V6などでも)同じでいいのでしょうか?

    なんか、調整するのが楽しみになってきました。

  10. Castman | URL | 4A9T8td.

    Re:THE TWIN 赤ノブのバイアス

    こんばんは、
    <こちらの赤ノブの場合は一番いい音の値で、基準値の下限かそれより下なんですよね。

    これについてはこの時にペアで使った真空管では記事の通りだったというだけで、他の赤ノブの個体を含む6L6GCにすべて適用というわけではありません。

    6V6なんかは使われ方(アンプの回路)によってはバイアスが浅すぎるとすぐに寿命が来たり、赤熱しやすいので先ずはプレート電圧と電流値から安全マージン(プレート損失の60~70%)内外で音がふくらむ倍音が豊かになる領域を探せば良いと思います。一事が万事に適用ではなくて全てにおいて調整はワンオフであると考えておいた方が良いと思います。マーシャルなんかでも調整の値は使うにつれてずれてきますので定期的なチェックは不要なトラブルの防止にもなるのでしっかりとやる方が良いと思います。

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